新たな敵、現る!!

2019年も半分終わりましたね~、僕はその間全部治療に費やしました。あっという間ですね~

 

さて、生着から2週間が経ち、体調に変化が表れてきました。

38度以上の高熱は現在では影を潜め、GVHDによる症状に悩まされています。

新たな敵、GVHDの襲来です!!

GVHD(Graft Versus Host Desease)とは、ドナー細胞のリンパ球が患者の正常な臓器を異物とみなして攻撃してしまうことにより起こる疾患です。100日以内に起こるものを急性GVHDといいます。ちなみにいわゆる「拒絶反応」とGVHDは異なり、拒絶反応は患者のリンパ球がドナー細胞を攻撃することによって起こる合併症を言います。

 

GVHDの中でも今特につらいのが、下痢と皮膚症状です。

下痢は、急に便意を感じるのが特徴で、朝から晩まで警戒し続けなければなりません。やむを得ず高齢者用のオムツを履いています。              f:id:tachikawax:20190701180729j:plain

皮膚症状は、全身に発疹ができ、とにかく痒いです。いや、もう発疹のレベルを超えた赤黒いデキモノが全身を覆い、一部では色素沈着が起こりドス黒い肌になっています。特に背面の状態がひどくお尻など見るに堪えない色になっています。色素沈着してしまった肌が元の色に戻るまで数か月~数年かかるようです。グロ画像のため写真を上げたりはしませんが…       とにかく今は

            かゆい!!!

ただ一方で、GVHDが起こった方が再発率が低いことが知られています。これをGVL効果といいます。前回の移植ではGVHDはほぼ起こらなかったので、今回の移植では前回よりも確実に再発しづらくなっているはず。GVL効果を信じて、もうこんな面倒な病が再発しないよう祈りつつGVHDに耐えながら、毎日おかゆをすすっています。

 

 

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悪いことかと思ったら良いことだった話

6月17日6時頃、目を覚ましまして、かなりのだるさを感じ体温を測りました。

すると、39.5度の表示が。この値は今回の移植で観測したことのない高い数値です。

「うわ~、絶対これなんかの菌かウイルスに感染したやつだわ~」素人考えながらそう思いました。

 

ところが、高熱の原因は感染ではなかったのです。それは、医師が問診に来た時に分かりました。「発熱の原因は白血球の急激な増加による免疫反応の可能性が高い」と言うのです。その急激に増加した白血球の数は3200個/㎕。

 

fig1のようにグラフにしてみると、白血球数が急激に増加していることがよくわかります(数値入力が面倒なので6月のみのグラフになっています)

f:id:tachikawax:20190617213945p:plain

fig1.6月の白血球数の変化

2週間近く100付近で燻っていた白血球数が6/13辺りからみるみるうちに増加し、気付けば6/16には990。その翌日には3倍以上になっているとは…!好中球も2000個近くあります。医師も生着の太鼓判を押してくれました(厳密な定義では6/19に6/17の生着が判断されますが、この値なら待つまでもなく生着と判断していいとのこと)。ついに待ちに待った生着です!!!つまり、ドナー細胞が僕の身体に根付いたということになります。100台で燻っているときは毎日心配で、ため息ばかりついていましたが、もう白血球の心配をする必要はありません。口や喉の痛みも時間とともに消えていくでしょう。もう病棟から出ることもできます!今日は生着記念日なので院内のコンビニまで行ってハーゲンダッツ買っちゃったわ💗

 

ところが、そういつまでも呑気なことを言ってられません。これから移植日100日目までは急性GVHD、それ以降1~2年は慢性GVHDとの闘いが待っています。GVHDとは、ドナー由来のリンパ球が患者の臓器を異物とみなして攻撃して起こる症状のことです。重篤なものだと命に関わることもあります。また、基本的に免疫力はまだ低いので健康な人では普通感染しないようなウイルスは菌に感染しやすいです。

 

まだまだ闘いは続きますが、臍帯血移植第1ステージクリアです!

 

 

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血球増えず…

今回はネガティブ投稿だよ!闘病してればそんな気持ちになることもあるよねぇ~。あるよねえ~。

 

臍帯血移植の生着(白血球1000個/㎕かつ好中球500個/㎕)までの中央値は20日だそうです。本日、DAY18となりましたが白血球はまだ100個/㎕。6月2日から約1週間増えていません。医師が毎日のように薬剤の調整をしてくれていますが、未だに血球数は足踏み状態が続いています。そのため、まだまだ無菌病棟に閉じ込められっぱなし。さすがにストレスを感じてきます。

 

赤血球や血小板といったその他の血球を造る力も弱く、毎日のように輸血を行っています。献血者の方々にはいつも感謝しております。

 

やはり大変なのは食事。食事は楽しみではなくもはや苦行ですね。常在菌に感染した口内は見るも無残な状態。味のあるものはしみるので、味のないおかゆを毎日朝昼晩流し込んでいます。喉の粘膜もボロボロなので飲み込む度にひどく痛むのですが…

 

毎食食べているおかゆ。全く味はしないがこれだけはなんとか流し込んでいる。

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さらに残念なのが、ついに僕にも味覚障害が出てしまったこと。これまで、味覚障害に苦しむ患者を多く見てきましたが、自分だけは何故か全く平気でした。しかし、最近甘味も塩味もあまり感じなくなってきました。味覚障害は治るのに数か月かかってしまう長期にわたる副作用です。退院してもおいしいもの食べられない…😢

 

ここのところ、体調自体は良かったのですが本日の早朝から新たな症状を発症。痛くて朝5時に飛び起きました。その症状とは、手足症候群と呼ばれるもの。とにかく手足が痛い!歩くのも痛い!手足には赤い斑点が無数にでき、そこを中心とした痛みが絶えず生じます。今まで毎日少しずつ歩いていたのですが、それもできなくなり、ますます筋肉は衰えていきます。かといって体重が減るわけでもなく、今度は免疫反応で身体がひどく浮腫んでいます。特に足。浮腫みすぎて、くるぶしも足首もなくなってしまいました。ちょっとドラえもんみたいな足になっています。

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せめて白血球が増えてくれれば前向きになれるのですが…

 

 

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早期退院のために。

今回の入院からリハビリってやつをやっています。

 

僕の身体は、1年以上にも及ぶ入退院の繰り返しで筋肉量が大幅に減少し、ガリガリにやつれてしまいました。早期退院を目指すには減少した筋肉量を取り戻すことが重要です。そこで病院内でも運動を行うことが必要になってきます。

 

前回移植を行った病院では、中高年の方々はリハビリを行っていましたが、僕にはそういったものはありませんでした。こういう運動をやっておいてね、という紙を渡されただけです。そこそこ一生懸命やっていましたがやはりそれだけでは限界があり、退院後の体力不足には苦労しました。

 

今回入院している病院にはフロア全体もの広さのリハビリテーションルームがあり、器具も豊富です。しかも移植患者全員に専属の理学療法士がつき指導してくれます。高額療養費の範囲内なのでそれで入院費が上がるわけでもないのでお得(?)です。

 

理学療法士の方が僕の脚をひねったりして脚のねじれを治す運動をやってくれます。僕の場合、右脚が強くねじれているそうです(多くの方は左脚がねじれるそうです)。そのためか、左脚の力の方が強くなっているとのこと。この歳になるまで全然知りませんでした。

身体の調子が良く、白血球の値も十分高い時期にはダンベルやバイクを使った軽い運動を行います。こうした軽い運動は、早期退院につながるだけでなく、閉鎖的な入院生活のストレスを軽減してくれます。

現在のように抗がん剤の副作用で白血球が減少している間は、無菌病棟から出られません。そこで、理学療法士の方がベッドサイドまで来てくれて軽い筋トレを行います。 

とは言っても、移植の影響で高熱が出ているときなどは無理せずお休みしたりすることもよくあります。少しでも身体を動かすよう努力してこれ以上筋肉量を落とさないようにすることが目標になります。

 

今日の記事はあんま面白くないな、また考えます(実は書き溜めてたやつ

 

 

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信じて待つ。

朝、電子レンジの音で目覚めた。母親がごはんを温めていたのだろうか。目を開けると白い天井。時計に目をやると7時30分。うーん、そろそろ起きるかー。

 ・・・・・・。

否。電子レンジは患者のおっさんが使ってた音で、天井は移植患者専用の特別個室。寝ぼけ過ぎだ。今、ガッツリ移植治療中なんだった。

 

6日間かけて4種類もの抗がん剤を計28回の点滴でドバドバ入れ、自分の細胞を破壊。21日にドナーの臍帯血を輸注して現在に至っている。そのドナー様から頂戴した臍帯血様がこれである。

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これを首に刺したCVカテーテルから輸注するのだ。その時間、たった数分。「移植」と言ってもやることはそれだけ。でもこれが生命を救うありがたいありがたい血なのだ。

 

大量に抗がん剤を点滴した結果、体内の白血球はほぼゼロの状態。こうなると、身体を常在菌から全く守れなくなる。また、抗がん剤の副作用も強くなってきている。猛烈な吐き気、さらには頻回な下痢に悩まされている。半分トイレに住んでいるようなものだ。

 

こうした症状の改善には血中の白血球数の増加が不可欠となる。

現在のところ、採血の度にそのあまりに少ない白血球数にため息を5~10回はつく、そんな状況だ。昨日の採血では10(個/㎕)ほどしかないなかった。

このわずかな白血球は移植されたドナーの造血幹細胞により作られた(はずの)ものだ。白血球の数が1000個/㎕かつ好中球の数が500個/㎕という状態が3日間持続すると生着したと言えるらしい。これには移植から3週間程度必要となる。

 

しかし、絶対に生着できるわけではないのが造血幹細胞移植の怖いところだ。いつまでたっても白血球が増えなかった場合は移植失敗となる。緊急に別の臍帯血を取り寄せて輸注することになる。もちろん、そんなことが起きないようこれまで準備してきたし医療スタッフも全力で治療にあたってくれている。

 

4割と言われた死のリスクが頭をよぎることもあるし、再再発の可能性に怯えることもある。それに無事生き延びた先に何か特別楽しみがあるわけでもない。ただ今日明日のことだけを考え、先の未来のことには目を瞑って、毎日寝ては起きるを繰り返している。

 

今は信じて待つ、それしかない。 

 

 

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臍帯血移植治療のはじまり

いよいよ命の懸かった臍帯血移植治療が始まりました。

以前も書きましたが、臍帯血とはへその緒(臍帯)に含まれる血液のこと。「さいたいけつ」と読みます。よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが、移植と言っても外科的手術を行うわけではありません。輸注と言って静脈に臍帯血内の必要な細胞を注入します。以前もご紹介しましたが臍帯血移植については以下のリンクが分かりやすいです。

骨髄移植を上回るさい帯血移植:白血病、赤ちゃんがつなぐ命のリレー|オーシャンブリッジ高山のブログ

 

2回目の移植ということもあり1回目よりも死のリスクは高いとのことです(4割とも聞きました)。しかし、そのリスクを少しでも減らし根治の可能性を高める武器をこの数か月で準備してきました。以下にそれらを列挙します。

 

・前回の移植から9か月もの期間が空いていること

  期間が長く空く程前回の移植による臓器の疲れが解消されます。白血病細胞が増加してしまい早急な移植が必要な症例ではそれだけ長く待つことができません。また、寛解した状態で移植を行う方が生着率が高くなります。

・全脳全脊髄への30Gyの放射線照射

  再発部位と考えられる脳や脊髄に2月に1か月かけて放射線照射を行いました。前回行った全身放射線照射の2.5倍の放射線量になります。その後の骨髄抑制に苦労しましたが、その分治療がよく効いたことになります。

・1つ(シタラビン)を除いて前回とは異なる抗がん剤を使用。特に、脳まで届く抗がん剤を新たに使用。

  一般的に抗がん剤は脳までは届きづらいです。僕の場合、脳から再発した可能性が高いのでこうした抗がん剤を使用することは有効です。

・日本一の臍帯血移植症例数を誇る病院への転院

  症例数が全てでないことは承知していますが、より高度な臍帯血移植治療を受けるため臍帯血移植において世界的権威といえる病院に1月に転院してきました。症例数が多いだけでなく臨床研究も盛んに行われている病院です。そのため、日本ではまだ保険適用外の検査や治療を病院の研究費で賄って行うことができます。

・平均の2倍もの造血幹細胞数をもった良質な臍帯血の入手

  これは全くの偶然でしたが、主治医がたまたま見つけてくれました。細胞の数が多いほうが当然生着も早いです。臍帯血を提供頂いた見知らぬ母子の2人にも大変感謝しています。

・新築病棟で移植することによる感染確率の低減

  感染症の原因の1つとして病棟内のカビやほこりが挙げられます。無菌室といえども病棟を建設して数年が経ってくるとこれらの増加を避けることはできません。僕が入院している病棟は今年の5月にopenしたばかり。そのため、僕が使用しているこの部屋は僕が1人目の使用者ということになります。清潔な環境は感染症対策に有効です。実際、新築病棟での移植の方が感染症罹患率が低下するというデータもあります。

 

 再発から半年かけて以上のような条件を整えてきました。これ以上ない環境と言っても過言ではないでしょう。後は根性でなんとかするだけです(口内環境が大変なことになるのでおかゆを流し込むのも本当に根性だけです)。

21日、いよいよ臍帯血を輸注します!

 

 

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ワイ28歳、白血病1歳。

本日2019年5月12日、筆者は28歳の誕生日を迎えました。

同時に、筆者が患っている急性リンパ性白血病も1つ歳を重ね、1歳になったと言えます(骨髄液採取による正確な診断を受けたのは5月15日でしたが、5月12日の採血の時点で血球のほとんどが幼弱な白血球である芽球に満ちており、既に罹患しているのは明白でした)白血病発症の経緯 - 立川白血病患者のお気持ち

 

成人を過ぎた頃からでしょうか、自分の誕生日に対する関心が徐々に薄れてきていました。ただなんとなく1つ歳をとったなと。今この記事を読んで頂いているあなたもある程度はそういった感覚をお持ちではないでしょうか。

 

しかし、筆者にとって今年の誕生日は過去の誕生日とは全く重みが違います。白血病を患いながらも1年を生き抜いたのです。生きて誕生日を迎えることがなんて尊いことなんだと実感しています。これは病気にならなければ感じ得なかった感覚です。

 

この誕生日に特に感じることは、生きていることの喜び周囲への感謝です。

 

この1年間、今日死ぬ明日死ぬといった危険な状態から這い上がり、2コースの抗がん剤治療、末梢血幹細胞移植、再び2コースの抗がん剤治療、放射線治療、臍帯血移植(現在進行中)…と様々な治療を経験してきました。残念ながら1年で病を倒すことはできませんでしたが、これらの治療に耐え、今なお生き続けていることを誇りに思っています。

生きているだけで素晴らしい、そういった価値観を持つようになりました。

 

もちろん、自分1人では1年間も白血病と闘うことはできませんでした。応援してくれる家族や友人たちの支えがあったからこそ今なお生きていられるのです。彼ら彼女らへの感謝の念は日に日に増していますが、1年を生き抜いたという今日に、より強く感謝の念を覚えます。

みなさま、ありがとう

 

最後に、病気でないあなたも生きているだけで大変尊い、そう思います。誕生日なんてどうでもよくなっているあなたも、誕生日を改めてそうした生の尊さを自覚する日にするのはいかがでしょうか。

 

追記

明日から抗がん剤をドバドバ入れ、治療開始です!

 

 

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