臍帯血移植治療のはじまり

いよいよ命の懸かった臍帯血移植治療が始まりました。

以前も書きましたが、臍帯血とはへその緒(臍帯)に含まれる血液のこと。「さいたいけつ」と読みます。よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが、移植と言っても外科的手術を行うわけではありません。輸注と言って静脈に臍帯血内の必要な細胞を注入します。以前もご紹介しましたが臍帯血移植については以下のリンクが分かりやすいです。

骨髄移植を上回るさい帯血移植:白血病、赤ちゃんがつなぐ命のリレー|オーシャンブリッジ高山のブログ

 

2回目の移植ということもあり1回目よりも死のリスクは高いとのことです(4割とも聞きました)。しかし、そのリスクを少しでも減らし根治の可能性を高める武器をこの数か月で準備してきました。以下にそれらを列挙します。

 

・前回の移植から9か月もの期間が空いていること

  期間が長く空く程前回の移植による臓器の疲れが解消されます。白血病細胞が増加してしまい早急な移植が必要な症例ではそれだけ長く待つことができません。また、寛解した状態で移植を行う方が生着率が高くなります。

・全脳全脊髄への30Gyの放射線照射

  再発部位と考えられる脳や脊髄に2月に1か月かけて放射線照射を行いました。前回行った全身放射線照射の2.5倍の放射線量になります。その後の骨髄抑制に苦労しましたが、その分治療がよく効いたことになります。

・1つ(シタラビン)を除いて前回とは異なる抗がん剤を使用。特に、脳まで届く抗がん剤を新たに使用。

  一般的に抗がん剤は脳までは届きづらいです。僕の場合、脳から再発した可能性が高いのでこうした抗がん剤を使用することは有効です。

・日本一の臍帯血移植症例数を誇る病院への転院

  症例数が全てでないことは承知していますが、より高度な臍帯血移植治療を受けるため臍帯血移植において世界的権威といえる病院に1月に転院してきました。症例数が多いだけでなく臨床研究も盛んに行われている病院です。そのため、日本ではまだ保険適用外の検査や治療を病院の研究費で賄って行うことができます。

・平均の2倍もの造血幹細胞数をもった良質な臍帯血の入手

  これは全くの偶然でしたが、主治医がたまたま見つけてくれました。細胞の数が多いほうが当然生着も早いです。臍帯血を提供頂いた見知らぬ母子の2人にも大変感謝しています。

・新築病棟で移植することによる感染確率の低減

  感染症の原因の1つとして病棟内のカビやほこりが挙げられます。無菌室といえども病棟を建設して数年が経ってくるとこれらの増加を避けることはできません。僕が入院している病棟は今年の5月にopenしたばかり。そのため、僕が使用しているこの部屋は僕が1人目の使用者ということになります。清潔な環境は感染症対策に有効です。実際、新築病棟での移植の方が感染症罹患率が低下するというデータもあります。

 

 再発から半年かけて以上のような条件を整えてきました。これ以上ない環境と言っても過言ではないでしょう。後は根性でなんとかするだけです(口内環境が大変なことになるのでおかゆを流し込むのも本当に根性だけです)。

21日、いよいよ臍帯血を輸注します!

 

 

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