信じて待つ。

朝、電子レンジの音で目覚めた。母親がごはんを温めていたのだろうか。目を開けると白い天井。時計に目をやると7時30分。うーん、そろそろ起きるかー。

 ・・・・・・。

否。電子レンジは患者のおっさんが使ってた音で、天井は移植患者専用の特別個室。寝ぼけ過ぎだ。今、ガッツリ移植治療中なんだった。

 

6日間かけて4種類もの抗がん剤を計28回の点滴でドバドバ入れ、自分の細胞を破壊。21日にドナーの臍帯血を輸注して現在に至っている。そのドナー様から頂戴した臍帯血様がこれである。

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これを首に刺したCVカテーテルから輸注するのだ。その時間、たった数分。「移植」と言ってもやることはそれだけ。でもこれが生命を救うありがたいありがたい血なのだ。

 

大量に抗がん剤を点滴した結果、体内の白血球はほぼゼロの状態。こうなると、身体を常在菌から全く守れなくなる。また、抗がん剤の副作用も強くなってきている。猛烈な吐き気、さらには頻回な下痢に悩まされている。半分トイレに住んでいるようなものだ。

 

こうした症状の改善には血中の白血球数の増加が不可欠となる。

現在のところ、採血の度にそのあまりに少ない白血球数にため息を5~10回はつく、そんな状況だ。昨日の採血では10(個/㎕)ほどしかないなかった。

このわずかな白血球は移植されたドナーの造血幹細胞により作られた(はずの)ものだ。白血球の数が1000個/㎕かつ好中球の数が500個/㎕という状態が3日間持続すると生着したと言えるらしい。これには移植から3週間程度必要となる。

 

しかし、絶対に生着できるわけではないのが造血幹細胞移植の怖いところだ。いつまでたっても白血球が増えなかった場合は移植失敗となる。緊急に別の臍帯血を取り寄せて輸注することになる。もちろん、そんなことが起きないようこれまで準備してきたし医療スタッフも全力で治療にあたってくれている。

 

4割と言われた死のリスクが頭をよぎることもあるし、再再発の可能性に怯えることもある。それに無事生き延びた先に何か特別楽しみがあるわけでもない。ただ今日明日のことだけを考え、先の未来のことには目を瞑って、毎日寝ては起きるを繰り返している。

 

今は信じて待つ、それしかない。 

 

 

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